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かつては此処も高層アパートで、普通に人が生活をしていたというから驚きだ。
最近でこそ眠れるようになってきたが、数日前までは寒さで眠れない夜を過ごしていた。
凍えるような夜を思い出しながら、私は枕代わりにしていた石の隣に置いていたペットボトル容器に溜めこんでいた雨水を飲み、和博の隣に並ぶ。
「今日はうちも行く!なんか手伝える事があったらするし!」
「無理せんでもよかよ?ワシ一人でもカサゴ三匹くらいは毎回釣って来よるんやし。それに、すずは餌も付けられへんやろ?」
「餌くらい付けれるたい!!」
私がそう言って頬を膨らせると、華純が横から割って入って来る。
「すずもこう言ってるし、一緒に連れて行ってあげたらいいんと違う?この島はどうせうちらしか居ないんやし、一緒に釣り場へ行っても襲われることなんてないでしょう?それとも、私と二人で行く?」
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