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「初めまして。怖気レンです」
率直に言おう。素直に言おう。彼を一言で言い表そう。表現しよう。
小動物。
この度、その天才小説作家こと怖気レン先生の編集者として私が抜擢された。
前任が職場を辞めてしまい、後続で私が引き受ける事となった。
光栄な事だ。まさか今乗りに乗っている怖気レン先生と仕事ができるなんて。
その小説の裏側を見れるだなんて。
編集者としてはこの上ない喜び。そして小説好きにとってはたまらない。
最初はそう思っていた。
「八百辻千斗です」
「ヤオツジ?セント?変な名前ですね」
怖気レン。歳は20。現在大学生。
身長は私より少し高い。175センチ程か。中肉中背。どこにでもいそうな男の子。
特筆すべきは、顔が幼い。俗に言う童顔。顔だけ切り取れば高校生でも通る。下手すれば中学生でもいけるかも。
「良く言われます」
私は淡々と返した。名前の事に関しては慣れっこだ。本当に良く言われる。自分でもそう思う。
八百辻千斗。
みんな大体読み方に困る。学校の出席を取るときも読まれなかった事が多い。
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