精霊たちの森

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  小屋の外は風が吠えている・・・。 冬が近いこの頃は特に勢いが強い。 このシュレージェン地方では、 風の強い冬の夜は誰も外へ出ない。 日が沈めば、 森を支配するのは「夜の狩人」か、 悪霊、 ・・・そして恐ろしい魔女だけなのだから・・・。  「・・・フラウ・ガウデンはの、  夜の森に現れるんじゃ、  彼女は二頭の馬が牽く馬車に乗っておる。  彼女の魔法に引っかかった者には、  その姿は美しいお姫様に見えるじゃろう。  しかし・・・、  その正体は顔にカビの生えた老婆じゃ。  立派な馬車も、  ボロボロで蜘蛛の巣だらけ、  馬に至っては首がない・・・。  彼女に連れて行かれて、  戻ってきた者はいない。  だから夜の森には誰も出て行かないのじゃ・・・。」 ニコラ爺さんはいろんな事を知っている。 爺さんはあちこちを旅してきた人だ。 いつの間にか村から消え、 何年かしてからまたひょっこり戻ってくる。 当然、身寄りなんかいない。 ただの乞食といってしまえばそれまでなんだけども。  
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