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「…だが、お前はすぐに思い出す」
「 …な」
…何を…?と言う声を絞り出す前に、目の前の男が言った。
「 …阿呆は寝て待て、というからの」
皆の息が、え?聞き間違い?の方向に静まり返る。
しかし我慢出来ないオレの口が開いてしまった。
「 …か」
「……」
「…果報、…では…?」
言った後、隣の土井さんの口から「ひっ」と変な空気音が漏れ、
同時、男が真顔になった。
すぐにハッとしたオレは、もう片方の手で勢い良く口を塞いだ。
(…っやば…!)
オレの体中の血が一気に引いた。
「……」
男がじっとオレを見下ろす。
変な沈黙が流れ、
( …バカ! オレバカッ!!)
久し振りにあわわとなって、体中の毛穴がぶわっと一挙に開く感じ。
(組合員相手とは違うんだぞ…!)
状況把握できてないのか!?
(っこんな変なの目の前にして…!)
いつもの調子で突っ込むとかっ!!
(マジありえねえ…っ)
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