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突然、オレの体が宙に浮いた。
「…う、わ…っ!?」
次の瞬間には男の肩に軽々と担がれるオレ、170センチ。
「ちょ…!! 何するんですかッ!!」
「おまえの住処に行く。 案内せよ」
「なんで!? 嫌に決まってる!!」
ギョッとしたオレが両腕を張って大男の上でそう叫ぶと、村の皆が、
「トリちゃんやめてー!!」
「神さんばいー!!」
「大人しくせんかー!!」
とオロオロオロオロ…
(…って! なんだそりゃ!!)
オレはどうなってもいいのかよ!!
「まあ良い。 匂いでわかる。 …こっちか」
「いやそっちじゃない! こっちです!!」
慌ててあらぬ方を指さすオレに、皆がこぞって「嘘つけ!!」と叫び、
( …絶望…っ)
怒鳴るより、オレは思わず両の手の平で自分の顔を覆った。
そりゃオレは冷たかった。
確かに皆を見下してた。
パーだなー、アホだなーって心の中で思いっきり馬鹿にしてた。
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