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「龍神様か…」
「ああ、やっぱい龍神様やったか…」
「秋やっけん帰ってきんさったとか…」
その妙に納得した雰囲気に、この大男の肩の上、
「っだからってなんでオレ!?」
もう猫なんて被ってられない。
合点のいかないオレが、また「降ろせーっ!!」とジタバタし出すと、皆が「やめんしゃい!! 往生際の悪か!!」と、またアタフタ…の繰り返し。
そんなカオス的状況の中、土井さんの奥さんが、意を決したように口を開いた。
「も、もしよろしければ修理なんか…!」
…張り詰める空気。
「……」
皆が『龍神様』と崇める男が、冷たく彼女を見下ろした。
「む、無理です、よね…」
「…無理?」
「…いくら龍神様でも… できんですよね…」
「……」
「……」
「 …ふん」
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