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男が鼻で笑った。
納屋を見る。
そしてオレを担いでない方の腕を少し上げ、手の平を天に向けた状態で、人差し指をクイッと曲げた。
そしたら。そしたら。
え?瞬きした瞬間?
よくわからない一瞬で、納屋はほら、元通り。
「……!!」
オレを含めた全員が、一斉にゴシゴシと漫画みたいに目を擦る。
男が言った。
「…祠はお前たちで修理しろ。 畏敬の念をもって、懸命に元に戻せよ」
え?なんで?祠も自分で直せばいいだろ!!って思ったのは、きっとオレだけじゃない。
ちょうどその時、一台のタクシーがノロノロとやってきた。
そしてなぜかキキーッと急ブレーキをかけて停まると、中から村長が慌てて飛び降りてきて、
「鳥越ーっ!! どがんしたとかー!!」
と叫び。
「っそ…っ」
そんちょぉおおお!!とオレが叫ぶと同時、オレを担いだままの龍神が平然とのたまった。
「 …飛ぶぞ」
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