一、生まれ変わりを信じるか

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「…面白い」 オレの上の男の目が、淫虐気味に小さく笑った。 それはもう神様というより、悪の帝王サタン様だった。 「…俺を、どうにかできると思っておるのか」 「……っ」 悟ったオレの全身から、ブワーッと冷や汗が噴き出した。 鹿の角と人間離れした整った顔、冷たい肌。 さっき龍になった、納屋も一瞬で元に戻した。 雨に濡れてなかった、て言うか、なんだか光ってた。 それらが、一気にオレの常識を突き破り。 何処か認めてなかった頑なな部分が音を立てて崩れて行く。 (…っに、に、に、) っ人間じゃない!! (こいつやっぱり!!) 人間じゃない…!! 何を思ったのか。それでも逃げようと思ったのか。 考えるより先に、またオレの拳が上がっていた。 その拳が震える。 体が震える。 怖かった。 とりあえず怖かった。 とりあえず自分の身を守ろうと、それしか考えてなかった。 それに気付いた男の目に、また寂しそうな影が落ちた。
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