一、生まれ変わりを信じるか

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「生贄とか人聞きの悪か!! 生まれ変わりて言いよんさあやっか!! よかけん龍神様の言うことば大人しゅう聴かんか!! 家族のできて丁度よかやっか!!」 「いやそれ全然関係ないです!! オレ人間以外の家族要りませんから!!」 「な…! 失礼な事ば言うな!! お前龍神様ばなんて思うとっとか!!」 「もちろん人外だと認めてます!!」 そんな喧々囂々とした最中、近くで「あふっ」と欠伸の音が鳴った。 「…もう良い。 気が削がれた。 トリ、布団を敷け」 「え!? 布団!? 泊まるんですか!?」 ギョッとして振り返ると、 「当たり前だ。 ようやく会えたのだ。 お前の寿命まで共に過ごすに決まっておろう」 元凶の男が畳に頬杖つき、ショックを隠せないオレの表情を楽しそうに見上げる。 「…前世ではお前の腹にややがおって手が出せなかった。 その分、この世では存分に楽しませて貰おうと思うておる」 「た…っ、楽しませるって…!?」 男が意味あり気に含み笑い、オレの腕に指で触れた。 つつーっと皮膚の上を這うそれに、ぞくりと全身が粟立った。 「…耐えて見せよ、トリ…」 笑ってる。 「お前は、俺の物だ…」 「……っつ」 ――頑固な雨雲が張り詰めてるオレの頭の中。 思い出せないオレは、ドキドキが怖くて、その時は必死で無いものとしたかった。 外の雨はすでに上がっていたけれど、 薄い三日月にはまだ、暗い雲がかかっていた。
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