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アタシは藤田の部屋を出て、自分の部屋に戻る。
すると、アタシの部屋の前に、誰かいる。
近付くにつれ、それが湯本さんだとわかった。
「…ゆ…湯本さん?…」
と、アタシは湯本さんに声をかける。
湯本さんはアタシの声かけにビクッとカラダを動かした。
「…清水さん…」
と、アタシの名を呼ぶ。
だが、その声はいつもと違い、トーンが低い。
いつもの、
「…お姉さま…」
と、言って、アタシに抱き着いてくるときとは、明らかに別物だ。
アタシは、
「…どうしたの? なにか用?…」
と、努めて明るく声をかけた。
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