暴走列車 会社編 第9話

－夢-

　「…その通りだ、お嬢ちゃん…」

　と、藤田はニヤッと笑うと、アタシの腹に一発、大きな拳で、殴った。

　…まさか？…

　…なんで、藤田秘書室長が…

　…もしかしたら、藤田は敵の放ったスパイ？…

　アタシはそこで意識を無くした。

　…と、ここまで、見てアタシは目覚めた。

　…つまり、今見たものは夢だったわけだ…

　…しかし、夢とわかった後でも、正直、あまり気分は良くなかった…

　…昨夜、藤田の部屋で、市川アヤノと湯本さんが実の親子と聞いてからは気分

が重かった。