-朝食-

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 朝食―  アタシはいつもの湯本、太田、奥居の三人と同じテーブルで朝食をとった。    アタシは珍しく落ち込んで見えたらしい。  「…清水さん、大丈夫…」    と、奥居さん。  「…エッ? どうして、そんなこと訊くの? …」  と、アタシ。  「…なんだか、元気がないみたいに見える…」  と、奥居さん。  「…そんなことないよ…」  と、アタシ。  「…そう…」  と、奥居さん。  「でも、アタシにも元気がないように見えるよ」  と、今度は太田さんが、例の平安貴族のようなまったりとした口調で言う。
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