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今日の仕事も成功した。
クーデターが未然に防がれ、しばらくはこの国は安泰だろう。
「やぁ、エリザ。久しぶりだな」
「ええ、アルバート。今日もお仕事お疲れ様」
家には、エリザベスという名の女が来ていた。
何人目かは分からないが、俺の愛人だ。
愛人達は、俺の本業を知らない。
国が徹底的に偽装を施しているので、彼女達が気付くことはない。
気付いたとしても、俺か国に消されるだけだが。
「ちょっと、見てもらいたいものがあるの。いいかしら?」
「ああ、構わない」
彼女はリビングに向かう。
それに、俺も付いていく。
リビングの机には、無数の写真が散らばっていた。
「これは?」
「あなたと……他の女の写真よ」
何度目かは分からないが、他の愛人がいることがバレてしまった。
エリザベスは愛人の中でも美しく、器量もあったので気に入っていたが、すぐ代わりは見付かる。
「……で、どうするんだ。俺を殺すか?好きにするといい」
「あなた……何よその言い方!済まなかったとか、悪かったって感情は無いの!?」
「今更反省しても無意味だろう」
彼女の平手打ちが、俺の左頬に炸裂した。
「あなたには……人の心がないんだわ!あんなに愛してくれたのは、嘘だったのね!」
彼女は、俺の家から出て行った。
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