1#ブタと真珠

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 ぶーぶーぶーぶーぶーぶーぶーぶーぶーぶーぶーぶーぶーぶーぶーぶーぶーぶーぶーぶーぶーぶーぶーぶーぶーぶーぶーぶーぶーぶーぶーぶーぶーぶーぶーぶー!!  何千匹ものブタ達が飼われている養豚場。  その中で、一際丸々肥った一匹のブタ。  名前は無い。  所詮『家畜』だからだ。  しかし、そのブタの名前を自ら勝手に付けた。  『グッドラック』。  要するに、『お達者で』。  そのブタは解っていた。  近いうちにこの養豚場から摘まみ出され、『肉』になる為にこの世から別れを告げることを。  ぶーぶーぶーぶーぶーぶーぶーぶーぶーぶーぶーぶーぶーぶーぶーぶーぶーぶーぶーぶーぶーぶーぶーぶーぶーぶーぶーぶーぶーぶー!!  夥しいライバル達の集団だ。餌桶での飯の奪い合いでも、『グッドラック』は、大きな図体を生かしてライバル達を押し退けて、ガツガツと独占するように口一杯に食らいついた。  ところが、ある日。  ガツガツガツガツガツガツ!!  すぽっ・・・!!  「むぐぬっ?!」  餌桶で食らいついたとこ興奮して、ぶほぉ!!と鼻呼吸をしたところ、何かが大きな鼻の穴へ吸い込んだ感触がして、慌ててその場を離れた。  「ふんっ!!」  『グッドラック』は、片方の鼻の穴をひづめで抑えてもう一方の鼻に力を入れると・・・  ぶおっー!!  ひゅーーー・・・  とん!ころころころころころ・・・  鼻の穴から、神秘的に白く輝く丸い小さな玉が飛び出して、『グッドラック』のあしもとに転げた。  「なにこれ?綺麗・・・」  それは、正真正銘の真珠。  『グッドラック』は不思議そうに、真珠の玉に見とれていた。
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