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ぶーぶーぶーぶーぶーぶーぶーぶーぶーぶーぶーぶーぶーぶーぶーぶーぶーぶーぶーぶーぶーぶーぶーぶーぶーぶーぶーぶーぶーぶーぶーぶーぶーぶーぶーぶー!!
何千匹ものブタ達が飼われている養豚場。
その中で、一際丸々肥った一匹のブタ。
名前は無い。
所詮『家畜』だからだ。
しかし、そのブタの名前を自ら勝手に付けた。
『グッドラック』。
要するに、『お達者で』。
そのブタは解っていた。
近いうちにこの養豚場から摘まみ出され、『肉』になる為にこの世から別れを告げることを。
ぶーぶーぶーぶーぶーぶーぶーぶーぶーぶーぶーぶーぶーぶーぶーぶーぶーぶーぶーぶーぶーぶーぶーぶーぶーぶーぶーぶーぶーぶー!!
夥しいライバル達の集団だ。餌桶での飯の奪い合いでも、『グッドラック』は、大きな図体を生かしてライバル達を押し退けて、ガツガツと独占するように口一杯に食らいついた。
ところが、ある日。
ガツガツガツガツガツガツ!!
すぽっ・・・!!
「むぐぬっ?!」
餌桶で食らいついたとこ興奮して、ぶほぉ!!と鼻呼吸をしたところ、何かが大きな鼻の穴へ吸い込んだ感触がして、慌ててその場を離れた。
「ふんっ!!」
『グッドラック』は、片方の鼻の穴をひづめで抑えてもう一方の鼻に力を入れると・・・
ぶおっー!!
ひゅーーー・・・
とん!ころころころころころ・・・
鼻の穴から、神秘的に白く輝く丸い小さな玉が飛び出して、『グッドラック』のあしもとに転げた。
「なにこれ?綺麗・・・」
それは、正真正銘の真珠。
『グッドラック』は不思議そうに、真珠の玉に見とれていた。
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