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ぶーぶーぶーぶーぶーぶーぶーぶーぶーぶーぶーぶーぶーぶーぶーぶーぶーぶーぶーぶーぶーぶーぶーぶーぶーぶーぶーぶーぶーぶーぶーぶーぶーぶーぶーぶーぶーぶーぶーぶーぶーぶー!!!!
「ねーねー!おらの・・・」
どかっ!!
「大事な・・・」
がつん!!
「綺麗な玉知りませんかーぃっ!!」
ばきっ!!
ブタの『グッドラック』は、餌箱へ群がっていくブタ達の群を掻い潜って揉みくちゃになりながら、無くした真珠の玉を床の下を汲まなく探しまくっていた。
「ねえあんた、おらの大事なものなんだけど・・・知らねえ?瑠璃色に光る玉・・・」
ぶーぶーぶーぶーぶーぶーぶーぶーぶーぶーぶーぶーぶーぶーぶーぶーぶーぶーぶーぶーぶーぶーぶーぶーぶーぶー!!!
「そんなこと知ったこっちゃねえ!!それより俺は腹減ってるんだ!!おめえ食い物独占してるんだから、自業自得じゃね?」
「俺らより肥ってるんだから、俺らより先にトサツ場送りになれや・・・」
他のブタ達は、誰もが自分のことで精一杯。
何故なら皆、何時『トサツ場』に呼ばれて豚肉にされるか気がきでないからだ。
「ぶぶーーーーっ!!」
悔しかった。
悲しかった。
『グッドラック』の円らな目から大粒の悔し涙を流した。
「ぶぶーーーーっ!!無い!無い!無い!無い!ぶぶーーーーっ!!ぶぶーーーーっ!!無い!無い!無い!無いよおおおおおお!!ぶぶーーーーっ!!」
『グッドラック』は、取り乱して泣きわめき、大きな鼻を固いコンクリートの地面に汲まなくまさぐりながら、見知らぬ何処かへ無くした、大切な大切な大切な大切な大切な大切なとーーーっても大切な、綺麗な真珠の玉を養豚場のブタのゲージ内をさまよった。
「ぶぶーーーーっ!!無い!無い!無い!無い!ぶぶーーーーっ!!ぶぶーーーーっ!!無い!無い!無い!無いよおおおおおお!!ぶぶーーーーっ!!」
がつん!!がつん!!がつん!!がつん!!がつん!!
「痛てえな!謝れ!!このメスブタ!!」
「こいつ、なに考えてるんだぁ?『トサツ場』が迫ってるから気でもクルッたのかぁ?」
「さっさと『トサツ場』に行けばいいのに。こいつは・・・!!」
くんかくんかくんかくんかくんかくんかくんかくんかくんかくんかくんかくんかくんかくんかくんか・・・
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