第1章

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気がついたのは、ベッドの上だった。 そばには両親と、トーヤがいた。 私が目を開けたのに気付いた父さんが、ナースコールを押して看護師を呼ぶ。 「カナ、気付いてよかった。分かる?」 私は瞬きをして応えた。 母さんがほっとしているところに医師と看護師が来て、質問をした。 「君の名前を聞かせてくれるかい?」 「カミカゼ 、カナ」 途端に、父さんも母さんも、医師も看護師も、トーヤまでも、怪訝な顔をした。 「もう一度聞いてもいいかい?」 (聞こえなかったのかな) 「カミカゼ、カナ」 母さんが血相をかえて、私の肩を揺すった。
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