序章

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 目を失った。  目玉が無くなった、という根本的な話ではなく、俺は目という一つの感覚器官の機能を全て失った。  光源から発せられた光はブラックアウトした視界に一筋たりとも入 りやせず、光が一筋も差さなければ何も見えやしない。  盲目。まさに今の現状がその通りだ。  幼少の頃に患った病気…もしくは生まれつきの病気(もの)であれば対処のしようが合ったのかもしれない。  どちらかならば、多少なりとも慣れていただろうから。もしくは幼少であれば、"光の差していた"時を覚えていないだろうから。  歳、二十三。今年で二十四になる俺はその苦痛を耐えられずにいた。
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