第二章 忠犬と鳴く

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 次の日、 森のくまでバイトをしていると、千々石が外で待っていた。 「千々石、今日は、何の用?犬の弔いをするのではなかった?」  俺は、まだパンを焼く。 「手配は、会に任せてきた。 土木と葬儀、他各種申請のプロが、完璧に処理してくれるかと思う」  自分の手で弔おうとは思わないのか。 俺が、作業場に帰ろうとすると、千々石が腕を掴んだ。 「和海も、自分で弔いたいと言ったけど。 信者が列をなしていてね。 闇を祓う?実際は和海が取っているのだけどね」  和海が、せめて俺だけでも、 犬の弔いを見届けて欲しいと依頼してきた。
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