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「……あれ。どこやったかなぁ」
自分の部屋の机で勉強していて、一息ついて、さぁ続きをやろうと思ったら大事なものがなかったんだ。
「まいったなぁ、無いと困るんだよ……」
呟きながら机の上や、下を探す。床に這いつくばって机の横も、横にかけてある鞄の中も見るが、ない。
もう夜中だし、明日のテストは諦めて寝ろという事か?
いや、あれがないとテストだって受けられない。困ったぁ……。
頭を抱えようかとしたその時、部屋のドアが開きパジャマ姿の妹が仁王立ちしていた。
「お兄ちゃん、ガサゴソうるさいよ。勉強ならもっと静かにやって」
三歳年下で生意気盛りの中学生の妹は、高校に入学したばかりの俺と違ってテストや成績を気に病むまでまだ時間がある。
「あぁ、ごめん……でも、ちょっと探し物を」
「はぁ? 知らないよ、でも一応聞いてあげる。何探してんの?」
知らないよって、まだ話してないしと反論する前に探している物を聞かれたので、結局話す事になるのかと妹の生意気節に眉間のシワが深まる。
「その、眼鏡を」
「頭の上じゃん、バカじゃないの」
俺の言葉に被せて妹は言い、静かにドアは閉められた。
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