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いつもの帰り道、いつもの交差点。
僕とレオは、傘を差して信号待ちをしていた。
「腹減ったなー、今日もどっか寄っていく?」
レオととりとめもない話をして、笑いあっていた。
いつもの日常、いつもの光景。
だけど僕は、それだけでも満足だった。
別に非日常なんて、憧れていない。
こうして時間が過ぎるのも、嫌だとは思っていない。
なのに今日は、今日だけは違う。
横断歩道を渡る、何かがいた。
半透明の傘越しに、その物体を見る。
猫……?
危ないと思いながらも、僕は見ているだけしかできなかった。
だけど、レオは違う。
気が付くとレオは、傘を放り出して飛び出していた。
あっ……!!
慌てて手を伸ばした瞬間、目の前をトラックが横切った。
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