第四章 南国と楽園

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「袈裟丸、ちょっと話したい」  袈裟丸は、御卜を見送りながら、客間へと入ってきた。  客間は、土間になっていて、端に簡易的なベッドがあった。 でも、ベッドは一つしかなく、 もう一つはハンモックのようなものが吊るされていた。  ベッドもハンモックも海藻を編んで出来ていた。 「隣、開かずの間だよね。中は何かな?」  忍び込もうかとしていると、庭を歩く音がしていた。 その足音は、迷わずに隣に入ってゆく。 そして、隣では誰かと話す声がしていた。  話の内容からすると、海洋での金属反応が消えていること。 実験船が消滅していると、どこかに報告している。
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