第四章 南国と楽園

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 しかし、やや離れた場所に、浮島を見つけた。  泳いで浮島まで行くと、 俺の乗っていた船が浮島に繋いであった。 「浮島、半分、沈んでいるよね、これ」  浮島なのか?海水が底から出てくる。 「これでも、十枚重ねだよ」  時季が、しゃがんで底を見ていた。 「編み方は覚えたのだろう?海藻を採ってくるから、編んで」  これでは、人が増えただけでも沈みそうであった。 「そうだね、編むのに、人員を呼ぶか……いい海だし、 気晴らしにもなるよね」  鬼城には海がないので、休暇であったならば、こんな場所は嬉しい。 でも、仕事であった。
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