第一章 淡き青と淡き海

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「時季、ちょっとだけ、外してや。 他の皆さんもね」  時季に殺気が走ったが、 黒須の不気味な笑顔に押されて下がった。 「あの、合計六名なので、契約よりも多いでしょう?」 「サービスしてや」  黒須が上着を脱いでいた。  鉄鎖の黒須というのは、商人出身と言われているが、 底なしに怖い。 「亜空間、心臓に近い程、強いというだろう。 俺は強い亜空間が欲しい」  強い、 広いではなく、強いなのか。 「使用目的は何ですか?」  保管とか道とか、色々とある。 最初に渡すのは、ただの空間で、使い道としては倉庫であろうか。 「牢獄かな」  人を保管できるという意味か。 では、確かに心臓は有効であった。
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