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「そして、海に入らないように閉じ込められた者がいて、すると、
最後は消えたとか」
時季によると、皆が皆、同じ事を言ったという。
黒い海、何かひっかかる。
不老、
シェリエに生まれているので、何とも言えないが、
俺は時季と響紀と一緒に時を重ねて生きたい。
時季など、年々、俺を子供扱いするようになった。
響紀も、かなり甘くなった。
でも、ずっと同等でいたい。
「袈裟丸、御卜が心配か?亜空間で連絡してみたら?」
袈裟丸が、一人で遠くを見ていた。
「いいえ、あっちも仕事ですから、邪魔はしませんよ。
けれど、この海、どこか静かすぎませんか」
波が止んでいた。
海面が湖のように平らになった。
波が消え、波音も消えていた。
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