第四章 南国と楽園

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「海中でしたら、どんなだろうね」  何をするのだ。 にこにこと寺内が海を見ていた。 「船の上もいいよね」  俺の船は、絶対に貸さないことにする。  でも、二人の会話は、夢に満ちているようであった。 年はそんなに変わらない、いや、俺と同じ年であったか。 生活環境のせいなのか、俺の方が大人という感じがする。  海の中では、力が入らないので、つまらないし、 船の上ならば、ウォーターベッドのような物の方が面白い。 御卜と、隠れて小船で逢引したことがあるが、狭くて大変だった。 まあ、それはそれで、相手が女性ならば、 ロマンチックではあったのかもしれない。 結局、あれこれ試して、定番に行きつくのだ。
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