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「トーヤの所に行ってくる。
船では遅いので、飛んでゆく」
ハングライダーのようなものを作成すると、俺は空で移動することにした。
重い機材さえ運ばなければ、飛んで移動ができるのだ。
「気をつけてね」
時季は、残りの実験船を袈裟丸と回収しているという。
飛んでみると、この星が本当に海ばかりなどだと、改めて分かった。
島は全く無い。
きらきらとした海ばかりが、永遠に続いてゆく。
その中に、小さな浮島を発見した。
俺が浜に降りてみると、そこにはトーヤが立っていた。
「何度も空から来るよね。
本当に夢みたいにきれいだよね。
でも、この海ばかりの星で、飛ぶのはすごい度胸がいることだよ。
島まで飛べる確証が微塵もない」
トーヤは、俺のハングライダーをまじまじと見ていた。
でも、飛ぶということを知っているのか。
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