第五章 秘密の海

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 トーヤについて潜ってみると、下にサンゴ礁が見えてきた。 こんなに、きれいな場所があったのか。 サンゴ礁の海は、他と比べると水深が浅かった。  そこに、沈んだ建物があった。 これは、学校か病院のような作りで、箱型の巨大なものであった。  その建物の奥に、黒く漂う水が沈んでいた。  建物の中は、廊下が続き、何語かわからない看板が幾つか漂っていた。 今は、全宇宙で使用する公用語があり、看板は公用語に統一されていた。  公用語が使用されていないということは、相当昔の建物なのだろう。  黒い液体は、俺が回収したものと、同じように見えた。 トーヤは御卜の手を握ると、その黒い液体の中に入っていった。
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