第五章 秘密の海

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 御卜は、泣いたように笑っていた。 「構いませんよ。 俺、一人前になりたいのですよ」  でも、監視して、報告するという仕事を考えると、 一人というわけにもいかない。 「まあ、仕事は鬼同丸で受けるからね。定期的に人員を交代してゆくよ。 二名体制かなあ」  でも、S級を置いてはいけない。 「もう一人は、少し考えさせて……」  桜川に、菌の見張りとして一人分の代金を払って貰おう。  トーヤの浮島に戻ると、心配した時季と、袈裟丸が来ていた。 「桜川さんから菌は聞いたよ。全員にワクチンを配布する予定」  時季は、俺の姿をじっと見つめていた。 俺はシェリエで、不老でも不死でもないが、 姿はあまり変わらない。
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