第五章 秘密の海

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 又浜に歩き出すと、トーヤは俺から目を逸らせた。 「波は静かだけど、海流が激しい。 初めて大和を見た日も海流は激しかった。 でも、落ちた星が気になって、俺は海に出た」  トーヤは、落ちた星を探して、 星よりもきれいな人が存在していた奇跡に、驚いたという。 しかし、時季も見て、 きれいな種族には、ちゃんと守りが存在していると知ったという。 「時季は守りではないよ。俺も強い」 「泳ぐの下手だよね。それに遅い」  指摘されると、俺は項垂れる。 確かに、トーヤと比べると、大人と子供の差くらいもある。 「俺は御卜と話をして、あれこれ分かった。 御卜も星を見て届かないと知った人だ。俺も同じだ」  星か、俺も同じだ。 五羅に追いつきたいと願い、親父に勝ちたいと思った。 追っているのは、星のような存在であった。
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