第六章 嵐の夜に

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 あんな体なのか、 そうなのかもしれない。 「百武に習って、鬼同衆も恋愛禁止にするかな」  時季が、窓辺に座り、俺を睨んでいた。 「職場恋愛禁止、でしょう。 結婚を推奨していますよ。五羅はね」 「職場恋愛禁止にしよう」   俺が言うと、説得力なしであった。 「大和、五羅の思い人でしょう。 だから五羅は、鬼同衆には禁止にできなかった」  袈裟丸は、時季に睨まれていた。 「大和、自分の姿を知っていますか?寂しげで儚い。 でも、遠い存在。 シェリエであり、ゲートキーパー、火の屋であり武器商人、 近付こうと皆が必死になった。 それを納めるために、五羅は自分を倒してモノにしてみろと言った」  モノにされたくはない。
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