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「あん、ん、うぐうう……」
俺も、どんな表情をしていいのか困る。
かつての恋人でもある人物が、今は他の男の腕の中にいる。
「まあ、気にしないよ」
やせ我慢かもしれない。
部屋に戻ると、ここが、この荒れ方ならば、
俺達の浮島など沈んでいるのではないかと、心配になった。
向こうにも船は一艘、残してきているが、
船の方が危険のような気もする。
自然災害でも、準備は常に万全を期するべきであった。
やっと、海の端に光が射し込むと、俺は、真っ先に部屋を飛び出した。
「飛んでみる」
時季が慌てて、俺の肩を掴む。
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