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「風向きが逆ですよ。
この星を一周するつもりですか」
でも、じっとしていられない。
「俺が行きますよ。皆さん船に乗ってください」
トーヤが腰に布を巻いた状態で、部屋から出てきた。
さっきまで御卜を抱いていたというのに、体力は大丈夫なのか。
気持ち、トーヤはやつれた気がしていた。
俺がトーヤの船に乗り、時季と袈裟丸の船を繋いだ。
トーヤは、全速力で船を漕いでくれた。
海は景色が遠く、
速度が出ているという感覚はないが、頬に当たる風は冷たい。
「トーヤ、御卜と結ばれたようだよね。御卜は無事?」
トーヤは漕ぎながら、ふと遠い目をした。
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