第六章 嵐の夜に

15/29
前へ
/306ページ
次へ
 どうにか沈まずに浮いてはいたようだ。  でも、誰もいなかった。 「寺内!的場!」  叫んでみたが、返事はない。 「船か?今、探してやるからな」  トーヤが船に立ち上がると、四方を見ていた。 「……見つけた……」  トーヤが又、船を漕いでくれた。 「寺内!」  船の中に人が倒れていた。俺は船に飛び乗ってみた。 「寺内!」 「大和さん」  寺内は、特に怪我もないようであった。 しかし、的場の姿が見えない。 「的場は?」
/306ページ

最初のコメントを投稿しよう!

60人が本棚に入れています
本棚に追加