60人が本棚に入れています
本棚に追加
「島が心配だからと、俺を船に乗せて残ったのです」
島には誰もいなかった。
「的場!」
この広い海で、一人を探す事の困難さは分かっている。
プールに落とした針を拾うよりも、困難であろう。
でも、俺がトーヤを見つめると、
トーヤは又船に立ち上がって四方を見ていた。
「頑張るから、そんなに悲しそうな顔をしないで欲しい。
大和の表情は、すごく悲しい」
トーヤは四方を見ながら、時折、俺も見ていた。
「できれば、応援して欲しいですよ」
「トーヤお願い、的場を探して。
俺は、仲間が何よりも大切……誰も、失いたくない」
トーヤが小さく、笑顔を造る。
最初のコメントを投稿しよう!