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「……不確かですが、こちらに大きな生き物あり」
トーヤが船を漕ぐと、イルカが泳いでいた。
「イルカか……」
再びトーヤは船を止めて、周囲を見る。
俺は、海中を見て、イルカが何かを取り囲んでいる光景を見た。
イルカは何かを、心配している。
「潜る!」
服は脱ぎ捨ててあったので、そのまま飛び込む。
イルカの中に入ってゆくと、そこに漂う的場を見つけた。
俺は的場を抱えると、海上に浮かび上がる。
「時季、蘇生してくれ!」
的場は息をしていない。
「分かった」
俺は人工呼吸ができない。
俺が呼吸すると、酸素は全て取り込んでしまう。
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