第六章 嵐の夜に

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「姶良の製作を待つか……」  姶良は後三日程度で、組み立てると言っていた。  それまでは、南国で休むか。  トーヤの浮島に遊びに行くと、御卜が一人で留守番をしていた。  御卜は、すっかり日に焼けて、地元の人となっていた。 でも、笑顔がとても可愛い。 「この星に、的場と寺内も残るから。協力して監視を頼む」 「はい。分かりました」  御卜が、はにかんで笑う。 その奥ゆかしいところが、本当にそそる。  俺が御卜に見惚れていると、時季が冷たい目で俺を見ていた。 「今は、トーヤの妻?ですよ」  ここでは腕輪を送り合うらしい。 御卜の左手首に、金色の輪がついていた。 その金色は、金であろうか。
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