第六章 嵐の夜に

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「御卜。幸せか?」 「……はい。 能力の差は今もありますが。 鬼城ではないせいか、心が軽くなりました」  幸せならば、俺は何も言いたくはない。  トーヤは、本気で御卜と結婚するつもりでいるらしい。 残された時間が少ないことは、トーヤも知っているのだが、 だからこそ、全力で御卜を愛するのだそうだ。 「祝いに、何が欲しい?」 「亜空間を下さい」  そうきたか。 でも、欲しいだけ取って欲しい。 「ええと、触れた分だけ量……」  御卜がキスしてきた。 そう、繋がった分だけ深く、亜空間を渡せる。  体を一旦離すと、再度しっかり抱き合ってキスをする。
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