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「俺は後ろだけで、感じたくはない。そこは違う。
それにそんなに感覚のいい場所ではないだろ」
「違わない。
ここからでも、ちゃんと刺激できます」
指を突っ込まれて確認されているが、
それが又腹立たしい。
時季も研究していて、最初から結構いいツボを突いてくる。
しかし、俺も意地になってしまい、顔を背ける。
何かが動く感触はあるが、
前ほどの刺激ではないような気がする。
「時季!」
ズンと重い感触があった。
でも、後ろで感じたくはない。
「誰にでもある、機能ですから……」
でも、使っている人は少ないだろう。
「……嫌だって、時季」
船が揺れている。
何も遮るもののない海は、静かで声が吸い込まれてゆく。
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