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「可能性はありますが、危険ですよね」
「そうだよね……」
でも、可能性は高い。
俺ではできないことも、仲間がいれば可能になる。
俺の亜空間は、鬼城に根付いてきた。
もう少し強い亜空間使いが増えてくれれば、俺にとっての引き留め役になる。
時季に抱かれた体が重い。
でも、常に時季は、俺を見ていてくれる。
この存在が無ければ、俺はとっくに亜空間に飲まれていた。
俺は、体で時季を引き留めているのだろうか。
少し起き上がって時季を見ると、
日に当たって赤にしか見えない時季の瞳は、俺だけを見ていた。
「抱かれている時だけは、俺だけを感じているのですけど、
もう、違うところを見てしまうのですよね……」
時季が俺の頬に触れる。
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