第七章 朝日の生まれる場所

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 俺はソニアに戦闘機を格納すると、コクピットに走りこんだ。 時季も一緒に走ってくると、通信席に座る。 「伊礼樺、どういうことだ。理由を聞こう」 「鬼城がここの回収を請け負ったと知った。 ここには、蘇り薬があると、前から密偵を送り込み調査していた」  スクリーンに映ったのは、伊礼樺の頭領ではないのか。 「妻と娘が、殺されている。もう一度、会いたいのだ」  毒殺されているが、冷凍保管されていた。  仕事ならば攻撃もするが、私事ではつい聞いてしまった。 「ここの蘇りは、十年しかもたないよ」 「でも、十年でもいい、もう一度会いたい」  しんみりされてしまうと、俺も弱い。
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