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夜が、近い。
真っ暗なまま、響紀の後ろに広がっている。
体に炎を灯されてゆくように、
あちこちが熱い。
「響紀……」
そのまま追い上げられると、おあずけになった。
「大和を、もっと泣かしてみたい」
怖いことを言わないで欲しい。
もう十分、泣かされている。
「響紀」
時季とは喧嘩になるけれど、響紀には全て任せる。
その違いは分からないが、響紀は決して俺を傷つけない。
「明日は、ここで鍋をしようと思っていたのに……」
こんなことをした場所では、恥ずかしくて食べられない。
響紀の指が、俺を慣らし始めていた。
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