第七章 朝日の生まれる場所

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「……暗くてよくは分かりませんが、いい浜ですかね」  当麻の潤滑材は、何か調合している。 熱くなり、じんわりと熟れてくる。 すると、もうどうしょうもなく、 欲しくなる。  もどかしいような痒いような感覚が、腹部の奥でじわじわと広がる。 「それでは、いただきます」 「うわあああ」  望んでいたものが、与えられているのに、 体から、もっともっとと要求がくる。 痛いといえば、すごく痛い。 でも、もどかしく疼く。 「……響紀」  声が甘くなる。 俺は、時季と響紀を選べない。 この二人が大切で、 どちらも失うことができない。 俺は、優柔不断で勇気がない。
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