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「……暗くてよくは分かりませんが、いい浜ですかね」
当麻の潤滑材は、何か調合している。
熱くなり、じんわりと熟れてくる。
すると、もうどうしょうもなく、
欲しくなる。
もどかしいような痒いような感覚が、腹部の奥でじわじわと広がる。
「それでは、いただきます」
「うわあああ」
望んでいたものが、与えられているのに、
体から、もっともっとと要求がくる。
痛いといえば、すごく痛い。
でも、もどかしく疼く。
「……響紀」
声が甘くなる。
俺は、時季と響紀を選べない。
この二人が大切で、
どちらも失うことができない。
俺は、優柔不断で勇気がない。
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