第七章 朝日の生まれる場所

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 この二人にならば、 俺の体など、欲しいならばくれてやる。 でも、俺はこの二人が欲しい。 「大丈夫、そんな不安そうな顔をしないで……ちゃんと全部入った」  俺が頷くと、 響紀がゆっくりと動き出していた。  翌日、当麻がやってくると、 御卜の診察とあれこれ処方を行っていた。 寺内も診断すると、かなり唸り、的場に至っては絶句していた。 「人間の限界なのか、 それとも人間に類似した何かなのかですよね」  やはり桜川は天才であった、 しかし紛れもなく天災であるという。 「御卜と寺内は菌が感染し、 桜川の薬によって菌を殺しました。 それにより免疫ができていますので、今後は感染はしないでしょう」  御卜は一種類であったが、寺内は各種の菌を持っていた。 それは、複数と交わったことを意味していた。
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