第八章 ビナマナカハナ

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 当麻が島民を診察したいというので、大きな浮島に来てみた。 俺も、この規模の浮島に来たのは初めてであった。 浮島がいくつも連なり、橋で繋がっている。 その距離は、二十キロメートルはあるだろう。  各家(浮島)には畑もあり、果物の木々も植えられていた。 「自然に、菌に対して、免疫ができている場合も多いですね」  人々は元気で、 走ってきては浮島から浮島へと飛び移る。  しかし、菌付きの匂いには敏感であった。 当麻は、一軒家を借りると、 診療所を開き人々の相談にのるふりをして、情報を収集していた。  何故情報収集なのか、 当麻曰く、どうも情報が洩れているという。  俺は、島を端から端まで歩いてみていた。 確かに、伊礼樺は、液体が何なのか知っていた。
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