第八章 ビナマナカハナ

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 端の家に行くと、半分沈んでいた。 貧しい家は、沈む。 新しい海藻で下を支えていないためだ。 海藻も時間が経過すると、 溶け始め形を保てなくなってゆく。  牛やヤギを飼っている家もあった。 基本は海のものを食べているが、あれこれ動物もいる。  当麻は持ってきていた鶏と交換し、診療所の建物を借りていた。  レストランのような店を見つけたが、ここの通貨が分からない。 中を覗いてみると、 やはり、この島には通貨のようなものがあった。  仕方なく当麻の診療所に戻ると、前に砂袋を置き、販売してみた。 しかし、売れない。 そもそも、砂は物々交換用のものなのだそうだ。
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