第八章 ビナマナカハナ

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「裏切りって、俺ですか?」 「情報を流していただろう」  寺内は首を振ったが、 時季が金の振り込み状況を印刷した紙を投げた。 「これは、罠ですよ。俺では……」  新人を罠にはめてどうする。 「鬼同丸は、基本、幼馴染ばかりのチームでね。 相手を信用する事が基本であった。 新しくメンバーを加えたときに、俺たちのルールを作った。 裏切りには死」  当麻が淡々と説明してくれた。 まさか、当麻は五羅と幼馴染であったのか。 「それが絶対のルール」  当麻が顔を上げると、 寺内は近くにあったナイフを手に取った。  しかし、当麻も特S級であった。 新人のナイフなどに動じるわけもない。
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