第八章 ビナマナカハナ

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「こんな場所で取り残されて、どうやって生きていく? 的場、見捨てないよね……」  見つめられた的場が、言葉を出せずに固まっていた。 「的場は鬼同丸だ。関われば、君を処分する」  寺内が、どこかに走って行った。 逆恨みで、御卜や的場に嫌がらせをしなければいいが、 心配になる。 「あれ、御厨は?」  そういえば、姶良も見当たらない。 すると、二人を道で見つけた。 どうも、女性をナンパして歩いているらしい。 「ここの女性は、貴重だから、口説けないよね」  見るものもないので、 二人の玉砕っぷりを眺めて楽しんでいた。 「でも、俺、寝ましたけどね」  ふと軽い口調で言った時季を、全員で見つめる。 やはり、時季、女性に異常に人気がある。
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