第八章 ビナマナカハナ

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 そして本当に最後に、 俺は、海に潜り、桜川の海に沈んだ病院施設を亜空間に取り込んだ。 これは、この星に残してはいけない。 「鬼城に帰還する」  あとは、回収したものを処分すればいいのだ。  ソニアに乗り込み、ビナマナカハナを飛び立つ。 この青い星は、本当に美しい。 御卜も、的場も無事仕事を全うして欲しい。 「あああああああああ」  時季の悲痛な叫びが、通信席から響いていた。 時季を見ると、いつもと席の様子が異なる。 「あ、盆栽がない」  時季の盆栽が無くなっていた。当麻にやられたのだろう。 「当麻さん!」 「ヤギが食べたのでしょう?」  当麻は、焼いた魚を齧っていた。 しかし、そのヤギはどこに行ったのだ。
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