第八章 ビナマナカハナ

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「新しい植物を入手しておきましたよ」  当麻が、時季の怒りを紛らわせていた。 俺も、時季の盆栽を何度も割った。 その度に、逆鱗に触れている。 「うわあああああああ」  響紀も叫んでいた。 何かあったのかと行ってみると、 船内の畑が、土ごと消えていた。 「畑が無い」  犯人を調べるまでもない。 俺が当麻を見つめると、当麻は、公園も指さしていた。 慌てて公園に行くと、 やはり木もベンチ地面ごと消えていた。 「当麻さん……」 「現場に残る仲間に、これくらいしか、協力できませんからね。 あとは自力で生き抜くしかない」  心配してのことだとは分かった。 しかし、事前に相談してくれても良いのではないのか。
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