第八章 ビナマナカハナ

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 心吾が去ってゆく。 何をしに来たのだろうか、 ふと視線で追うと、ドアを開けずに通り抜けていた。 時季の得意とする能力と同じものが、心吾は使えるらしい。  しかし、能力があっても、戦闘で強いとは限らない。 時季も響紀も、死線の中で生き抜いて今があるのだ。 「少し眠ろう」  いくら眠らなくても一週間は大丈夫といっても、 やはり疲れた。 亜空間の海もどうにかしたいが、今はとにかく休む。  目を覚ますと、 もうすぐ鬼城に到着というところまで来ていた。 何時間眠っていたのだろうか、 しかも、誰も起こさなかったのか。 コクピットに行ってみると、姶良の代わりに響紀が操縦していた。
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