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心吾が去ってゆく。
何をしに来たのだろうか、
ふと視線で追うと、ドアを開けずに通り抜けていた。
時季の得意とする能力と同じものが、心吾は使えるらしい。
しかし、能力があっても、戦闘で強いとは限らない。
時季も響紀も、死線の中で生き抜いて今があるのだ。
「少し眠ろう」
いくら眠らなくても一週間は大丈夫といっても、
やはり疲れた。
亜空間の海もどうにかしたいが、今はとにかく休む。
目を覚ますと、
もうすぐ鬼城に到着というところまで来ていた。
何時間眠っていたのだろうか、
しかも、誰も起こさなかったのか。
コクピットに行ってみると、姶良の代わりに響紀が操縦していた。
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